- 2022.06.09 Thursday
奈良県五條市で街歩き〜重伝建地区五條新町を歩く・後編
今回も奈良県五條市です。重伝建地区の五條新町のなかにあるまちなみ伝承館にきています。(2021年5月)
まちなみ伝承館は五條新町の歴史や文化を伝えるために平成16年に、明治から大正期にかけて建てられた医院の居宅を改修してオープンしました。
中でいろいろお話を伺えました。五條の名前の由来は5つの街道が交わった場所からついたこと。前回歩いていた時に気になっていたのが医院や歯科が通り沿いに結構あったこと。これは江戸時代初期に松倉重政により五條藩の城下町が作られた際、ここに町医者や商人を集めたのだそうです。
ここも医院の居宅です。庭園までしっかりあります。
橋を渡って袂にある立派なうだつのある建物、普通の建具屋。特に案内等はありませんが一部改修されていて歴史も古そう。
前回もちょっと触れましたが新町通りから見えるあの階段を上がった先は吉野川です。
ジオラマ工房YN、こういう場所では珍しいと思うのですが、鉄道模型店です。建物もとても貴重なもので明治22年築の町家を活用しています。模型そのものや鉄道グッズも興味ありますがジオラマをどうしても見入ってしまいます。
少し進むと黒漆喰の立派な建物が見えてきます。ここは柿本家住宅、大正元年の棟札を持つ町家で二階の土蔵風の両開き戸や二段の袖うだつなど装飾がすごい。
このあたりでちょっとしたハプニング。朝から写真をいっぱい撮っていたためバッテリーの残量がほとんどなくなってしまいました。
新町通りも半分くらいきました。札場跡の前に建つのは山直という明治15年創業の食事処でカレーうどんや鍋焼きうどんが人気なのだそうです。
一般住居が多いためかこのあたりは特筆すべき建物の案内がなくてよくわかりませんが古い町並みが続きます。
やがて高架橋のようなものが見えてきました。
五條と新宮を結ぶはずだった五新鉄道。大正12年には五條から大塔町の阪本までの建設が国の計画に決まりましたが、着工は昭和14年までずれ込んだうえに工事は中断を繰り返し、昭和40年ようやく路盤が完成していた五條と西吉野町の城戸間で暫定的に路線バスが運行されます。
阪本までの路盤工事は完成目前でしたが、昭和56年国鉄再建問題で事業が凍結、路線バスの運行は継続されていましたが、平成26年にバスも廃止となりました。
前々回紹介した奈良交通のバスが引き継いでいます。
ここでの一番の見どころはこの昭和16年に竣工した連続アーチのコンクリート製の高架橋です。市内の至るところにこの未成線の遺構は残されていて近くを走る和歌山線とつながるはずでした。
素晴らしい街並みまだ続きます。時折振り返りつつ街並みを堪能します。
だいぶ長いこと歩いてきたのでちょっと休憩、こちらの江戸時代の町家を改修したカフェで一休み。五條市の名産は柿ということで柿スムージーをいただきました。
どこまでも続く古い町並み。
山田旅館は明治中期に建築された現役の旅館で映画のロケにも使われたことがあるそうです。
坂をあがるともう終盤戦。下の写真の黒い漆喰の建物は安政6年の棟札を持つ町家を改修したフレンチレストラン。
五條新町、素晴らしい街並みでした。
ホーロー看板を発見。
さすがにここから五条駅へ戻るのはしんどいのでそのまま隣の大和二見駅まで歩いてしまいます。
五條市内で全然商業施設を見かけなかったのですが国道24号にでてようやくオークワを発見しました。
オークワは和歌山県を中心に展開するスーパーですが奈良や三重、大阪などにも出店しています。
大和二見駅に到着しました。ただ次の電車までだいぶ時間があります。
とくに何があるというわけではないのですが駅でじっとしているくらいなら駅周辺を歩きたくなります。
古いアパート。2階部分を貸し出しているのかもしれません。珍しいタイプのアパートです。
これ以上は何もなさそうなので引き返します。
和歌山線の和歌山行きが来ました。東京に帰ります。
次回は都営新宿線沿線を歩きます。
- 奈良県
- 00:42
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- by さんぽっぽ